逝く人があり生まれ来る命があって、一年が過ぎようとしている。仕事に追われるような一年でもあった。しんどい思いをしながらもやっていけるのは、幸せを売る商売だからかもしれないし、だからこそしんどいのかもしれないし、よくわからない。よくわからなくても時は行き、時は来る、幾重にも重なり、取り返しのつかないような気分が身体に織り込まれてゆく。
失われることの哀しみがあった。それでも、希望はある。絶望の淵に寄り添うようにそれはある。そのことを倦むことなく伝えるのが私の役目なんだろう。
PS.さてとお世話になった皆さんに感謝、ありがとう、それから君に送る詩だ
君をいとおしむ思いを隠しようもなくさらけだす母
戸惑いながらも君のすべてを引き受けようとする父
あなたを愛する人々の気持ちはやさしく君の心に転写される
そういった心の仕組みがあることを僕らは知っているけれど
あらかじめ定められた決まりごとではなく
君の柔らかな皮膚をとおしてそのことを新鮮に体験する
やがて君は少しずつ身の回りのことから聴き分けて
この世界が傷つきやすいことを手探りで理解するだろう
がれきの街の光景をこの国の記憶として
目にするのはしばらく後になるにしても
君は痛みの気持ちでそれを受け止めることになる
愛はその準備のための揺りかごなのだよ