2011年8月28日日曜日

星降る夜


思い立って白浜に出かけた。サファリにパンダ、イルカのショーだとか、楽しむことができた。途中で夕食を済ませての帰り路、高速が混んでいるので海沿いの旧道を流すことにした。その時、あまりに星がきれいだったので、車を停めることにしたんだ。

かすかな光の中に砂浜と打ち寄せる波音が響く。見上げると満天に星が降る。さそり座の赤い星、天の川、その中を流星が横切り、人工衛星がゆっくりと跡を残す。ああそこには、星があるのだね。いつもは気が付かないのに。

PS.星降る夜に誘われて…、これは遠い昔に作ったラブソングだった。

故郷


田舎に帰った。私は九州の小さな島で生まれ、40年前に家族で大阪に引っ越した。今回は、里帰りというより、年老いた父の体力があるうちに故郷の土を踏ませたかったのだ。同じように年を重ねている親せきにも会わせておきたかった。特に父の妹になる叔母は、父の帰郷をとても喜んでくれたし、本当に来てよかったと思う。いろいろと段取りをしてくれた、同い年のいとこには、とても感謝している。ありがたいなと思う。

父も、妹も、私も、母を亡くしてしまったことの整理がついていない。多分ね。家族みんながどこかで自分を責めているし、そのことに区切りをつけたかった。私たち家族にとって、これは慰霊の旅であり、自分を許す旅なのだろうと思う。あまり心境の変化があったとは思えないけど、少しずつ何かが変わってくれると願っている。


私自身田舎に戻るのは、記憶にないくらい久しぶりの事だ。都会と違って、田舎では、叔父叔母、従兄弟は、もっと家族の関係に近い。不義理をしているなと感じながらも、自然に田舎の言葉になる。「私があんたの子守ばしたとやもん」と末の叔母の話、「自転車で川に落ちたやろ、あんときは死んだと思うたばい」とか、そんなこと覚えていないよねえ。

気を使わないでと伝えておいても山ほどのごちそうが待ち構えていた。写真のまんじゅうは7、8個も食べた。ダイエットしているからなんて言い訳が通じるわけないし、なによりうまかった。(笑)


田舎はかつて炭鉱の町だった。住んでいた炭住(炭鉱住宅)は町営の住宅になっている。中には、住む人もいないまま朽ちようとしている建物もある。遊び場だった路地、裏の土手、坂の通学路、何もかもが小さく感じられる。「小さいね」と妹と言葉を交わしながら、幼かったころの妹の姿を思い浮かべてみたけれど、うまくいかない。結局、どれが自分のうちだったかわからない。なにせ、みんな同じ作りだからね。


墓参りや、せっかくだからと近くにある小さな鍾乳洞を訪れ、隣の島にドライブして「炭鉱記念館」の人に話を聞いたり、少し観光気分も味わった。妻と息子は、私が親せきのところで過ごしている間に、小さな教会を訪ねたらしい。キリシタンは多い。うちの墓なんて、同じ台座に仏式とキリスト教の墓標が立っている。まあ、宗教に対してはおおらかなのだね。


ともかく、妹家族を合わせて総勢9人の旅で、小さなトラブルもあったけれど、終わってしまえば、笑い話だ。家族の恥になるので、言わないけどね。ほんとに笑いの絶えない旅でよかった。

母さん、故郷はどうでしたか。旅の間、母さんと過ごせて良かったと思う。だけど僕には、よくわからないです。なんだかよくわからないままです。

2011年8月13日土曜日

カラフル


休日に朝から職場で仕事、そのうちに小さなトラブルが起こり、対応が必要になるかもしれないので、しばらく待機することにした。食事のためにいったん職場を離れて、いつものカフェで携帯電話をそばに置きながら仕事を続けた。健康に良くない生活が続く。

来週の後半に休みをもらうつもりなので、そのために仕事を片付けておかないとね。休むために休日に仕事をする。つくづく日本人は勤勉であるな。

結局、トラブルは大事に至らず終息した。朝から仕事を始めて12時間、疲れたので読みかけの本を開いた。読み始めからワクワクさせる本がある。この本もそんな手ごたえがあった。さて、結末を楽しもう。

色々なことが起こったときに、他の人に話してすっきりする人もいるだろうけれど、私は、むしろ言葉を閉じて、心を閉じる。それが若いころからのやり方だったし、今さら変えることもないだろう。ブログに書けることは、たいした悩みではないのだね。

PS.BGMにブレッド、ダイアナロス、イエス、ジャクソンファイブが流れる。肩がこらなくて助かる。

2011年8月7日日曜日

芸術三昧

   

滋賀県立近代美術館に出かけた。五味太郎の作品展をもう一度見たくてね。ゆっくり観ていたら、昼近くになっておなかもすいたので湖岸のなぎさのテラスで食事をした。びわ湖をながめながらゆったりした気分で過ごせる。食事が運ばれてくるのを待ちながら、店の中に置いてあったパンフを眺めていると、隣接するびわ湖ホールでイベントがあることがわかった。

「ゆくか」「う、うむ」「ゆこう」「ゆこう」そういうことになったのである。

  

TACT/FESTIVALは、こどもたちを手触り感覚で人をそらさないセンスで楽しませてくれるパフォーマンスのフェスティバルということだそうな。コープスというチームの「ひつじ」「飛行隊」というパフォーマンス、オペラ歌手によるアニメ主題歌歌唱(悟空やデビルマンのコスプレ付)、インドネシアの影絵劇、この週末だけの公演なのがもったいないくらいだ。そのおもしろさを伝えるには、実際観てもらうのが一番だ。このあと、大阪でもやるので、行かれるとよい。

会場のびわ湖ホールは、4階席まであるオペラホールがメインの施設で見るからにバブリーだね。付属のレストランは、セルフタイプの簡易なものだけれどびわ湖を眺められるロケーションがよい。

PS.いっしょに出かけてくれる人がいると楽しい。感謝。

2011年8月1日月曜日

映画


パリーポッターを映画館で観てきた。スネイプ先生の最後で泣いた。セリフが正確に思い出せないけれど、多分「You have Lily's eyes.」という感じだったかな。ハリーポッターに最後に告げるセリフだ。このシーンで、スネイプ先生の不可思議な行動と切なさが解き明かされる。キャスティングが何故アラン・リックマンでなければいけなかったのか、思い知らされる。

花火


PLの花火の日だった。今年も趣向を凝らした立派なものだった。けれど、花火そのものより、心を動かすのは、人々の笑顔と歓声だ。ほんの一瞬でも、何万人の人たちを幸せにしてくれる。すごいな。


先日、早めに母の初盆を済ませた。こうやって、いくつかの法事を順に済ませることで、失われたことを受け入れるのだろうね。仕事の上でも、あれこれあって、引きこもりたくなったので、日曜日は、小説をまとめて読んで過ごした。表題の「卵の緒」も良かったけれど、「7's blood」の切なさが染みた。

立場というのは、やっかいで言いたくないこと言い、言いたいことも言えない。それは仕方のないことなのだろう。そして、それはあきらめでなく、覚悟なんだよ。責任というのは、自分の仕事と立場を引き受けることだからね。