2012年2月28日火曜日

slow glass


SFの古典を集めた短編集で、すぐに引き込まれる。多分、古典というのは、むしろアイデアが新鮮であった頃の衝撃、あるいは匂いのようなものがあるからだろう。現代小説なんて、どこか似たような話をすでに誰かが書いているのだからね。でも、いや、だからこそ、物語を紡ぐ小説家というのはすごいなと思う。

Bob Shawの短編も含まれているのだけれど、Slow Glassという「記憶するガラス」がモチーフになっている。そのガラスには、そのガラスに過去、映った風景や人々が時間をおいて映し出される。失くしてしまったものを映してくれる窓があれば、きっと、買ってしまうのだろうね。

PS.今日、そうしようと決めた。ふと、決めた。そんなもんだろう。

2012年2月24日金曜日

廃盤と絶版


Fusionは、色々聴き込んだし好きなアーティストも多いけれど、Jazzを聴くことは少ない。ただ、例外は、この Art Lande だ。彼のRubisa Patrol は、名盤だと思う。ただ廃盤なので、手に入れることができないのが残念だ。Amazon では、3倍くらいの値段で取引されているけれど、ちょっと手が出ない。だれか奇特な人がいて、適正な価格で譲ってくれたらうれしいのに、そんな都合のよいことがあるわけもない。



ついでに、いつか手に入れたいのが、SFの古典、Bob Shaw の「去りにし日々、今ひとたびの幻」なんだけど、これも絶版で、当時の価格の10倍くらいで取引されている。読みたいのに、躊躇してしまうよね。何かのついでに古本屋で探したりするけど、見つからない。だれか、親切な人が現れないかな。

2012年2月20日月曜日

2012年2月19日日曜日

海に降る雪


昨日、紀三井寺から海を見渡すと、雪雲が海面に向かって枝を伸ばしていた。海に降る雪、なんだか聴いたような言葉だと思って、ネットで調べると、コブクロが唄っているらしい。聴いたことないけれど。小説、映画、コミックにも同じ題名のものがあった。

私以外の誰かが、海に降る雪のことを気にかけているのだとしたら、それはそれでホッとする。

週末に済ませておきたい書類を作るのに、いつものカフェで過ごしている。イヤでイヤやで仕方なくても、気分が乗らなくても、仕事だからやっているけれど、「お前バカか」と自分で自分で呟いている。もちろん頭の中でね。そうして、「多分そうだよ」と自分で自分に返事をしている。ほんとにバカだ。

PS.今日は、パートナーが留守だ。彼女がいないと、私は腑抜けになるらしい。

PS.昨日、夢を見た。恐ろしい夢だったという記憶が残るけれど、内容は想い出せない。想い出せないけれど、夢の中で、これは、「いつかの続きだ」と感じていたから、また、いつかその続きを見るのだろう。楽しみなような、怖いような。

PS.しばらく前に、見た夢では、仕事を辞めて、旅に出て写真を撮っていた。夢は、正直だという人もあるし、そうでないという人もいる。どうだろうね。

2012年2月18日土曜日

DAVID HOCKNEY


和歌山県立近代美術館DAVID HOCKNEY 展が開かれている。エッチングやアクアチントの銅版画の作品でグリム童話の世界を描いている。知らなかったけれど「塔の上のラプンツェル」は、グリム童話なのだね。作品を見ているうちにぐいぐい引き込まれてゆくので、とても楽しい。 DAVID HOCKNEY が挿絵を描いている SIX FAIRY TALE という本を買った。中学生程度の英語なので何とか読みこなせそうだ。


ランチは、館内の ARTE というカフェで摂った。前菜、サラダ、デザートは、ビュッフェスタイルだし、これも楽しかった。展覧会よりこちらのカフェの方が混んでいたので、カフェ目当てに来ている人の方が多いのだろう。その後は、和歌山城と紀三井寺を観光したけれど、どちらも長い石段の先にあるので、良い運動になる。

PS.ゆっくりデートも楽しめたし、しあわせな一日だね。

2012年2月16日木曜日

I Will Always Love You


とにかくフィクション(映画)の中でさえはっきり分かるほど、彼女は自分が大好きなのだろうと感じる。ラブストーリーとしては、極めてありふれて、そのくせリアリティーがない。致命的なほどに安っぽいけれど、この映画が Whitney Houston の長編ビデオクリップなんだと考えれば、良くできている。

そこまでけなしておきながら、自分でもDVDを持っているし、何度も繰り返し見た映画だったりする。しかも、この圧倒的な歌唱力は否定しようもないし、それが永遠に失われたと考えると切ない。彼女の中にある、底知れない不安感を想うとなおさらに切ない。辛かったのだろうね。

ふと、そろそろ自分の好きな生き方をしてもいいのかなと思う。彼女の死から色々考えてしまう。

PS.Saving All My love For You の方が好きだ。

2012年2月13日月曜日

海竜


輪廻をモチーフにしたファンンタジーラブストーリーだ。登場人物の多くがいい人で、嫌な奴は嫌な奴のままでいてくれるし、わかりやすいお話だ。現実には、輪廻というものはない、ほんとにそんなものがあるなら、人生はもっとややこしいことになっている。

「海竜 第2章 Plesiosaur Ⅱ」

あなたが消えたなら
あなたの中の私も消える

それはかまわない
とめようのないことだから

そうやって
忘れ去られたものたち

忘れられたことさえ忘れられても
とめようのないことだから

ここにあることだけが
確かなことであって

明日と昨日が同じ重さで
いつか失われるとすれば

ただひたすらに
あなたのためにあろう

よろこびの種や涙のわけを
いくつか心に留め置きながら

愛おしさを愛おしさのまま
あなたをだきしめよう

ただひたすらに
あなたのためにあろう



PS.母の命日だった、法事のときとは違って、父と妹と私、三人で母を参った。何かの区切りなのだろうけど、実感はない。

2012年2月12日日曜日

怪談話


忙しい時には、ホラーに限る。恐怖や不安には、一気に人を引き込む力があるし、非日常のモチーフは、一時、現実を忘れるには、いい仕掛けなんだね。小泉八雲の作品をモチーフにしているけれど、そこに恐怖はあっても、八雲の、あるいは、八雲の頃の日本が持つ、畏怖とは少し手触りが違う。

まあ、それでも、夜中に眠れないときに読むには、ふさわしい。

ごめんね


伊坂幸太郎は好きな作家だ。物語のモチーフも好みだし、後半の理屈っぽいやりとりのシーンは、適当に読み飛ばすので、上下巻を一気に読んだ。私は、行儀のよい読者ではないのだね。主人公の奥さんのキャラクターが魅力的だった。


知らない作家だけれど、もともと「キタイ」というオリジナルから「ラスト・セメタリー」変えられた書名にひかれたのは、私がまっとうに出版社の戦略に乗せられたということだ。キング好きなら、思わず手にとってしまうよね。

体調不良を、休むわけにもいかないまま、無理やり乗り切って、きつい1週間が過ぎた。睡眠も乱れたりしたので、乱れたついでに。夜中に、本を読んで過ごした。こうなると、体調が良いのかどうかもわからなくなる。

昨日、母の法事を済ませた。1年がたったのだね。法事の後の席に、母の小さな写真を持ってゆき、帰る時にそれを置き忘れるようよな、親不孝な息子だ。その時に、母から叱られた記憶がほとんどないということに唐突に気が付いた。つくづく、私は母に愛されていたのだと思う。ごめんね、母さん。

PS.パートナーにも心配をかけているな。ごめんね。確かに、こんなわがままな人間によく付き合ってくれていると思う。

2012年2月9日木曜日

鬼はそと


あなたの風邪はどこから、熱、喉、鼻、どこでもない。何の症状もなく、食欲がなく体がだるい。何の症状もなく、疲れて食欲がないだけで、受診するのもねえ。ともかく、休むわけにもいかないので、無理やり、体を起して出勤して、資料を用意して、会議や研修に臨み、できるだけ定刻に帰って食事もせずに寝る。そうやって、少し楽になってきた。きっと週末に楽しみすぎたせいだろう。睡眠不足もあったかもしれない。

最近、読んだ本だけれど、「このミス大賞」に選ばれた作品だった。普通のSFで、普通のミステリだった。まあ、普通に楽しめた。それだけだった。「このミス大賞」とか、促販もどきの権威付けは、あまり頼りにならないし、持ち上げられるからかえって、非難する声も大きくなる。決して悪い作品ではないのにね。まあ、それでも売れないより、売れる方が良いだろうね。

さて、そういえば、節分だった。すっかり、終わってたけど。

「鬼はうち」

福はうち 鬼はそと
鬼も裸で寒からう

福はうち 鬼はそと
鬼は追われてどこへ行く

福はうち 鬼はそと
鬼は泣いているかしら

福はうち 鬼はそと
鬼のおうちはどこかしら

福はうち 鬼はそと
鬼は心の中にいて

福はうち 鬼はそと
鬼がぎょろりの目を覚ます

福はそと 鬼はうち

2012年2月5日日曜日

Drive & Learn



業界のフォーラムの最終日、寝るときと食事以外の時間は研修だったけれど、学ぶことは楽しいので苦にならない。業界関連の法律が変わるので、その動向について学ぶ機会にもなった。午前中の講義を済ませて、最後にホテルのラウンジでイチゴのアイスクリームをいただいた。おいしかったのだと思う。慣れない味なので、よくわからない。会場を後にして、そのまま、琵琶湖の湖岸を車で流した。積雪の比良山頂を眺めながらのドライブは、気分がいい。

お気に入りのカフェは、湖岸に張り出すように建つ。寒いけれど先週ほどではない、外のデッキでココアを楽しんだ。琵琶湖の向こうに見える雪の頂、水鳥の群れ、釣り人のボート、のんびりできる。近江八幡の町並みを散策し遅い昼食をとってから、自宅に車を向けた。

そうやっている間もこの日は、朝から夜まで、会社と電話のやりとりをして、トラブルに対応した。自宅で荷物をおろしてから、そのまま会社へ行き現場をねぎらう。ありがとう。おつかれさま。

さてと、充実した週末だった頑張ろう。

おらは死んじまっただ・・・・


昨日に続き、業界のフォーラムに参加した。北山修氏の講演があった。あくまで精神科医として「日本人のミソギ」についての話で、フロイトの分析学、日本の神話や民話に現れる汚れの感覚について興味深い話を聴くことができた。質疑応答の時間があったので、日本人の汚れ意識の生まれる背景について質問をさせていただいた。日本は今回の地震や津波のように災害の多い風土があり、そのことが、結局すべてを「水に流す」潔癖性を生んだのではないか、しかし、むしろ整理しきれないあいまいで汚れたものをものを引き受ける方が幸せになれるのではないか、というのが北山さんの話の主旨だった。なるほど。

講演の後で、今度は、あの伝説のグループ「ザ・フォーク・クルセダーズ」の北山修のファンとして、本を買い、サインをしてもらった。このフォーラムの講師の人選については、一瞬首をかしげるけれど、昨日の小室さんのトークの中での「雨が空から降れば思い出は地面にしみ込む」という自然観と、今日の北山さんの話はどこかでつながっているようにも思う。

『戦争を知らない子供たち』『あの素晴しい愛をもう一度』『風』『花嫁』『帰ってきたヨッパライ』、僕らの世代で知らない者はいないだろう。二日も続けて、僕らにとっては神様のような二人と話ができたなんてね。良い子にしていれば、良いことがあるということだ。

それにしても、早朝から深夜を回るまでの研修は疲れより高揚感で眠れないのが困る、明日(すでに今日だけれど)が最終日だ。ほんと、おらは死んじまいそうだ。

2012年2月4日土曜日

雨が空から降れば・・・


業界のフォーラムに参加するために大津に来ている。シンポジウム、講演、映画の上映と多彩なプログラムの間を渡り歩くように楽しむことができる。そのひとつが小室等のコンサートだった。私にとっては、神様みたいな人だけど、若い人は知らないと思う。「雨が空から降れば」とかね。今日はやってくれなかったけど、「今生きているということ」だとか。35年ぶりのライブだった。初めて聴いたのは、学生の頃、名古屋の近鉄小劇場、200席ほどの古い劇場で、ずいぶん前に取り壊されたらしい。

一列目の座席の目の前で歌ってくれた。バックのピアノとサックスは良く知らないけど有名な人らしい。ジャズっぽい伴奏でとても楽しめたし、とにかくうれしくてにこにこしながら聴いていた。そして、ふと横を見ると、うちの会社のイベント担当が来てる。小室さんに出演依頼をしに来たんだそうな。そんなの聞いてねえよ、と思いつつも、仕事のふりをしながら、いっしょに出演の依頼をして、CDにサインをもらって、写真までいっしょに撮ってもらったけど、緊張して、うまく笑顔が作れない。

小室さんの歌を聴いたせいばかりではないけれど、来月やる小さなイベントで、ベースでも弾いてみようかと思っている。どうかな?