2014年2月13日木曜日

雪の日


母の命日だった。父は、「辛かったやろな。早く(癌だと)わかってたらな。」と繰り返す。私は、それに応えて「しかたなかった。」と繰り返す。そのくせ、私もこっそり自分自身を責めている。

母をきちんと見送って、私は仕事に打ち込んだ。自分を追い込むことで、言い訳でもしてたつもりか。病気になれば、許されるとでも思ったか。だとしたら、あさましいことだな。パートナーは、泣くべき時に泣かなかったとも言う。泣くわけにいかなかった、そう思っていた。泣く資格だってあったかどうか。

ドラマでは「私の気持ちが他人にわかるはずがない」という。よく聞くセリフだけど、案外、自分でも自分のことなんかわからない。私は、母を愛していたのだろうか。よくわからない。けれど、母は、私のことを愛していてくれた。不思議なことにそのことには確信がある。思い出すのがすべて笑顔だからかな。

「雪の日」

母さん 雪だよ
ふっくらと 雪が降りてくる
柔らかく 世界を埋めてゆく

雪は ほっこりしてるのに
人のぬくもりに 触れたら
冷たく 肌を刺す

雪は きっと淋しいのだろう
人のぬくもりに 触れたら
涙に 姿を変える

母さん もう眠った
僕は まだ眠れない
もう少し 起きているよ

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