舞台は東京オリンピック前夜、建設現場での過酷な労働で死んだ出稼ぎの兄、兄のおかげで東京の大学生となった弟。東京の繁栄のために命を失う人夫の多くは、電気さえ満足にない北国の田舎からくる。弟はオリンピック開催を人質に爆弾事件をくりかえす、という話。原作の奥田英朗は、少しひねくれた視線から、けれどむしろ優しく人間を描く。この作品もおもしろかった。
オリンピックを待ちわびる今の時代の空気と似ているのかもしれなけれど、子どもだった頃に感じていた気分と、分別のついた今の私の気分では違いもあるだろうし、昔のことは多くの場合美化されるからね。よくわからない。
ドラマを見て考えたことがある。人は、自分が幸せであることに気づくのと、不幸せであると気づくのと、どちらが苦手なんだろう。自分が幸せであるのか不幸せであるのか、あの頃の日本人は考えていたのだろうか。少なくとも小学生の私がそんなこと考えてはなかった。少しワクワクした気分はあったろうな。
今はどうだろう。みんな自分の幸せについて考えているかな。
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