2013年5月15日水曜日

もうひとつの街


舞台はプラハ、主人公が偶然「もうひとつの街」に紛れ込んでしまう。そこは混沌の世界であり、言語や論理、物理法則さえ異なる。現実の街との境界がも次第に曖昧になって行く。表現された文章もほとんど理解できない。もう一度読み返してみても理解できないだろう。けれど、主人公とともに、その街をさまよううちに、次第に引き込まれて行く。

最後に主人公は、その街に向かう「路面電車」に乗るのだけれど、読み手は見送るしかない。読み手は、しばらくの間、現実の世界で自分の「路面電車」を探すはめになる。

読みながら考えた。どこに行っても、ある場所から別の場所に移動しても、自分の肉体や精神から逃れることはできない。もし変わったと感じたのなら、それは空間ではなく、自分自身の細胞そのものが入れ替わることではないか。そんな妄想のようなものも産み出す小説だった。わからない、けれど面白い小説。

2013年5月9日木曜日

電子ブック


本は持っているけれど、電子ブックで99円だったので、衝動買いした。コミックならタブレットでも読みやすい。著作権の切れた古い小説の無料版も読んだけれど、そちらはなじめなかった。本の厚みがないのは落ち着かない。読書や思考は、身体感覚や刺激のと密接に関わっているからだろう。小さい頃からタッチパネルに馴染んでいれば、違和感がないのかもしれない。

テーマになっているのは、原爆の話だ。原子力、遺伝子、テクノロジーの究極的な発達は、人間の通常の自然な営みから「神の領域」に足を踏み入れることにもなる。科学の発達を否定する気はない。ただ、人間は、自然に対する畏敬の念や謙虚さを失ってはならないと考えている。

私自身、情報機器を使いながら、どこか現在の情報化社会に違和感を感じている。確かに便利だし、パソコンが発明されなければ、私なんか役立たずの不器用なおっさんであったと思う。それでも、やはりどこかで、漠然とした違和感を感じている。

2013年5月7日火曜日

「円卓」



昨日、いつものカフェで「横道世之介」を読み終えた。学生時代の友人とは、なかなか会う機会が少なくなった。なかにはすでに故人となっているやつもいる。けれど、学生時代、その時に出会えたこと、言葉を交わし、瞳の奥の情熱や屈託を見つめ、ともに遊び、その事が今の私の心の一部になっている。そして、知らない間に、自分が恥ずかしい人間になってはいないか、その心の一部が教えてくれそうな気がする。


今日は、カフェまで歩いた。30分ほどでたいした距離ではない。リハビリにちょうど良い。西加奈子の「円卓」を選んで読んだ。生きていくことの覚悟は、子どもにだって、求められる。その覚悟のありようもひょっとしたら「個性」と呼ばれるのかね。その「個性」一つひとつが愛しい。その「個性」が円卓を囲む。スリリングだ。

2013年5月6日月曜日

神戸


せっかくの連休だし、神戸に出かけた。六甲アイランドの湾岸にあるカフェは、久しぶりだ。海を眺めながら、アールグレイを楽しんだ。先日読んだ、村上龍の「55歳からのハローライフ」に困ったときには、とりあえず紅茶だね、と書いてあったから。(そう意味のこと)

パートナーは、こんなときにも「電動シャボン玉」を持っている。晴れた空にシャボン玉は飛ぶ前に風に吹き飛ばされたけれど、この人にはいつも驚かされる。


次は海から山へ、六甲山のハーブガーデンまでロープウェイに乗った。お腹が空いたのでいただいたのはハーブをたっぷり使ったソーセージとワインジュース。


神戸は、海と山が一度に楽しめるし、洋館、美術館、カフェ、エキゾチックな街だ。


下りは、途中までよく整備された花壇の中を歩いておりた。たくさんの観光客が、家族連れ、恋人、友人、子どもや妊婦、みんな笑顔だ。笑顔を眺めるのは好きだ。そのくせ、その一つ一つの笑顔の背景にある人生を想像すると、なにか大きな洪水のなかに放り込まれたようで、圧倒された。

そんなもの想像なんかしなけりゃいいのにね。まあ、しかたないね。とにかく、楽しかった。

2013年5月3日金曜日

ふくわらい


読み終えた。奇妙な登場人物たち、誰かを理解しようとすることは、困難でむしろ不遜であるかもしれ ないけれど、それは、とても不思議な体験、体まるごとで感じる素敵な出来事だ。だからこそ誰かを 知ることは、自分を知ることになる。おもしろかった。

2013年5月2日木曜日

「優先座席」



「優先座席」

世界には哀しいことや辛いことであふれ
厄介ごとや悩ましいことにもきりがない
プリンセスは憂いの心で笑顔を返しプリンスは静かに拳を固める
敵と味方はリバーシブルで加害者と被害者は互いに孤独だ
思いが語られ耳を傾ける人がいる
自分の世界ばかりが広がると互いに窮屈だ
ちっぽけな自分でいようと思う
タンポポの黄色とツツジの紅
美しいものたちに少し席を譲 ろう
ちっぽけな自分でいようと思う
空の青と木々の緑
美しいものたちに少し席を譲ろう

2013年5月1日水曜日

図書館


隣町の図書館に出掛けた。近くの図書館より、設備も整っていて、蔵書の数も多いようだ。それでも、新刊をいつでも読むというわけにはいかないので、自分のコレクションから選んだ。駐車場は二時間まで無料だし、根をつめるのもよくないと考えて、一時間半で140ページで止めた。よいペースになってきたなと思う。

そのあとスーパーで買い物をして帰宅したら、体がだるい。午後から、もう一度図書館に戻って続きを読もうと考えてたのだけれど、無理をしないことにした。以前は一日に三冊も読んでいたのにね。もっとも、そんな読み方のほうが変わっているのだという人も多い。

一年前のブログを読むと、「一ヶ月近く休みがない」とか「残業時間が三桁」だとか、ああ、なるほどあまり健康的な生活ではない。今のほうがましなのかもしれないね。

五月だ。そう言えば、五月病なんて言葉があったっけ、病気も悪くないのじゃないかな。たまにはね。家族や会社には迷惑かけるけど、元気になったら、お返しすることにしよう。